« 九電への要望書(11・20提出) | トップページ | 九電の公聴者への通知です! ひどくない? »

2012年12月14日 (金)

藤田祐幸先生講演会要旨

10月20日にあった藤田先生の後援会の要旨です。

当会メンバーのK&Aがまとめた内容です。

==================================

藤田祐幸さん講演会報告

「3.11フクシマ後の時代を生きるために」                

はじめに

藤田祐幸さんは、慶應義塾大学助教授で、チェルノブイリ原発事故汚染地域、コソボやイラクの劣化ウラン弾が使用された地域や原発被曝労働などの現地調査をされてきました。また、チェルノブイリ原発事故後、放射能汚染食品測定室を立ち上げ、国の甘い基準値の10分の1越えのデータを公表し、汚染食品が市場に蔓延することを阻止する市民運動を展開されました。スリーマイル島原発事故以来、原発の危険性や、平和利用という名の裏に核開発の野望が蠢くことを訴える活動を続けておられます

その藤田祐幸さんを「熊本・原発止めたい女たちの会」がお招きし、2012年10月20日、市民会館崇城大学ホールで講演会を行いました。以下は、その報告です。

歴史的な市民の意志・熱気が政治に反映されない

事故前には「事故が起きなければ原発を止めることができないのか」と思っていたが、事故後は「事故が起きても原発を止めることができない国民なのか」と思っている。

いま官邸前デモ、国会包囲キャンドルナイトなどが毎週行われている。動員ではない普通の市民が自分の意志で、10万人という規模で集まり、脱原発を叫び続けている。

 しかし、この民衆の熱気が政治に反映していかない。電力システムの改革をめざす政府提言も、閣議決定時点では脱原発や原発ゼロの言葉が消えた。経済産業大臣の文章には、原発ゼロになればどんなに困るかが列挙されていた。原子力政策を主導してきたお役所は本気で原発を推進し続けようとし、それに対し政治は無力で全く対応できていない。

事故に学ぶドイツ、ウソをついて再稼働する日本

今夏、原発は大飯原発の2基以外は全部止まっていた。暑い夏であったが、十分な余力を持ってしのげたことで「電力が足りなくなる」はウソだと分かってしまった。電力の生産と販売の独占を止め、発電と送電を分離し資本主義の原理を導入すれば電気料金も下がる。原発のコストは不当に安く見積もられていたが、膨大な使用済み核燃料の再処理費用や10万年もどうやって管理するのか?という最終処分のツケも入れれば、お金の問題として考えることも不可能となる。ドイツの政権は福島事故後、この本質的問題から倫理的人道的責任を議論し、「原発は人間が取り扱ってはならない技術」と結論付け、脱原発を決めた。

日本は縄文時代から営々と受け継がれてきた美しい大地を、海を汚してしまった。今は、そういうことに対しての世代的・時代的責任が問われなくてはならない時だ。電気代や、アメリカとの関係悪化とか低レベルのことに付き合っている場合じゃない。

桁違い・・毎日、原爆3発分の死の灰を製造する原発

原爆では一つの都市が消滅する。広島・長崎では、死の灰1kgが成層圏に拡散した。死の灰は黒い雨にも含まれたが、汚染が微量のため、復興することができた。福島原発事故は1t(原爆1000発分)の死の灰が風に乗り周辺に降下した。

チェルノブイリの汚染地図では、1つの国家が消滅するほどの深刻で巨大な汚染地帯を作ったことがわかった。ソ連邦がなくなっても放射能は残った。セシウムやストロンチウムの寿命の目安は半減期のほぼ10倍の300年だが、元の量が多ければ膨大に残る。

原発震災(大地震+放射能の惨禍)に対策はありえない!

阪神淡路大震災が起こり、日本は本格的な地震の激動期に入ったことがわかった。福島原発のすぐ傍らの双葉断層もいつ動くかわからない。余震等で4号炉の使用済み核燃料プールが崩壊し、膨大な死の灰がぶちまけられれば、人類未体験の汚染となり、首都圏3000万人の避難はやむをえない事態となる。最近言われる南海トラフ地震は震源域が陸地にかかる直下型巨大地震だ。そこに浜岡原発や伊方原発がある。地震発生と同時に原子炉が瞬間的に破壊され核暴走が起こる事態を想定しておかなければならない。防潮堤も、電源車も役にたたない。

放射線管理区域に、いまも30万人の子どもたちが

ドイツのシミュレーションによると、昨年4月5日から7日まで、日本列島の上を放射能雲がなめていった。入学式などで校庭に子どもたちが並んでいたと思う。韓国は、この日を休校にした。日本は国民の被曝を放置し、国民を守ろうとした隣国を「過剰な反応だ」と非難した。世界は東京電力原発事故をグローバルな問題として、報道していた。

福島の収束には何百年も要する。放射線管理区域(法律上、18歳未満や妊産婦立ち入り禁止)レベル以上の汚染地域に157万人、子どもだけでも30万人が暮らしている。

(広島・長崎の犠牲者の治験により、)一般人の年間被曝線量は1ミリシーベルトを超えてはならないと法律で定めているが、「100ミリあびても大丈夫」と言う長崎大教授を責任者に据え、人々を福島に閉じ込めてしまった。5ミリ以下は居住可能としてしまった。1ミリ~5ミリを移住する権利があるとしたソ連や学童疎開をさせた日本帝国より劣っている。 

甲状腺検査にも35.3%の子どもにしこりやのう胞があるとの結果がでている。 医者たちの意識改革がないと放射能に影響を受けやすい子どもたちは救えない!

生体濃縮(ハンフォードの工場排水は川魚等の食物連鎖を経て水鳥の卵には100万倍に濃縮)や、焼却によっても放射能は凝縮される。また、放射能は濃度でなく、量が問題だ。日本政府は、事故後に年間被曝線量限度1ミリを20ミリへ、原発労働者の被曝限度を20ミリから100ミリへ、放射性廃棄物のクリアランスレベルを100ベクレルから8000ベクレルへと変えてしまった。

水と空気と大地を汚さずに子孫に手渡す

北海道も、中国、四国の山も汚染された。これから山から川を下り大地が汚染されていく。九州など、かろうじて汚染を免れた大地と海をこれ以上汚さずに、子孫に手渡すことが私たちの世代の義務だ。もし玄海原発で福島と同じことが起こったら、日本列島が放射能の中にすっぽり入る。川内原発でも伊方原発でも九州は壊滅的影響を受ける。

原発を動かさず、放射能汚染されたものは汚染地域から外に出さず、人々を非汚染地域で受け入れるのが汚染低減の原則だが、逆のことが行われている。被曝を拡散させることが絆ではない。せめて子どもたちをのびのびと非汚染地帯で遊ばせることはできないか。

人が生きるために必要なのは、きれいな水と空気と大地だ。何気ない連続性こそが人生にとって一番大事なことであり、平和なことだ。昨日と今日の間に大きな断絶があることで全ての悲劇が始まる。「真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」。田中正造のこの言葉の重さ深さをもう一度噛みしめ、「吾、唯、足るを知る。」を肝に命じてほしい。

(教育・子育て九条の会・会報より)

« 九電への要望書(11・20提出) | トップページ | 九電の公聴者への通知です! ひどくない? »

■原発関係イベント」カテゴリの記事

コメント

講演会に参加しました。こうして書き起こしていただくと、記憶がよみがえります。ありがとうございます。ただし、講演会のタイトルのところに「藤田講演会要旨」とあるのが、もしかしたら間違いかもと思いました。敬称が抜けているのかもしれないです。失礼かと思いましたが投稿させていただきました。このコメントは確認後削除してください。お邪魔しました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1571560/48316393

この記事へのトラックバック一覧です: 藤田祐幸先生講演会要旨:

« 九電への要望書(11・20提出) | トップページ | 九電の公聴者への通知です! ひどくない? »

最近のトラックバック

2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
フォト
無料ブログはココログ